制御盤の役割とIoTへの対応

電気制御は製造業での組立ライン、食品業での仕分装置、農業での選別機械など様々な分野で応用されています。制御盤は電気制御に必要となる電源機器、分配器、ブレーカ、コントローラなどを内蔵した箱を指します。

前面にメーターやスイッチを取り付けて装置や生産ラインを操作・監視する機能を有する盤もあります。入力としてセンサやスイッチなど入力機器からの信号、出力としてモーターやヒーターなど出力機器への信号があり、制御盤は入力信号を処理し出力信号に変換し装置を制御する役割を担います。

その他の機能として交流/直流変換による直流電源の機器への供給、製造データをパネルに表示し稼働状況を表示することなどがあげられます。構造はステンレスまたはプラスチック製外箱内の中板に電源やコントローラなどの機器がビス止めされ、機器間は交流、直流で分けて配線されます。

主な線材は交流ラインには線種KIVで太さ0.75SQを直流ラインには線種KVで太さ0.5SQを使用します。外部のセンサやモーターなどの入出力機器とは端子台を介して配線されます。

省力化、小型化への対応としてビス止めせずに配線できる端子台やリモートI/Oを使ったリンク通信による入出力があります。今後M2Mを実現するために温度、湿度などの環境データや稼働状況、自己診断などの状況データを送信し、管理システムによる遠隔制御を受ける機能が装置に付加されます。

また無線ネットワーク環境で装置間のデータ交換を行い、交換されたデータを基に入出力機器を制御する機能も必要となります。これらを解決するために入出力データを制御する制御盤のスマート化は必須と言えます。

家庭で見ることができる一例として太陽光発電のパワーコンディショナーがありますが、今後IoTの発達により、窓やドアの開閉など電気制御が必要な機器とのインターフェイスとして制御盤が設置されることが予想されます。

制御盤とはどのような物か

制御盤とは、主にモーターなどの電気機器や製造ラインを制御するためのブレーカーやスイッチ、その他の制御機器や継電器などが取り付けられたもので、白い箱の中に収められている場合が多いものです。

工場などで物を製造したり生産する場合には物を作るための設備が必要になりますが、それらのブレーカーやスイッチや配線の接続部が露出していると、ゴミやほこりなどによる出火火災や人が誤って触れて感電事故につながる恐れもありますし、作業場所から離れた位置で一括して電動の製造機器を制御できた方が都合がいいので製造機器や設備の制御をつかさどる部分を一つの箱に収めて集中管理できるようにしているのです。

事務所などにおいても、蛍光灯などの電気設備やエアコン等の空調設備などのブレーカーを一括して一つの白い箱に収められている場合もあります。

一般的に、電灯設備などに関しては百ボルト電源ではあるもののエアコンでは二百ボルト、生産工場の大型のモーターや電気設備に関しては四百ボルト以上の電圧が必要となる設備がある為に、電気に関する資格を持たない人や責任者以外の人が触ったりできないように制御盤が収められた箱には鍵がかけられるようになっていますので、一般的にはどのような物があるのか見たことが無い人がほとんどだと思います。

わかりやすいイメージとしては、パソコンやテレビなどの中に収められている基盤の緑の板を外して大きな電圧や電流に耐えられる部品同士を電線でつないで箱の中に収めたものが制御盤だということです。

制御盤が必要である理由

仕事では、一つのことをするだけでもコンピュータ、プリンタ、シュレッダーなど多くの機器を必要とします。それぞれは別々の操作パネル、表示を持っているため何か知りたい情報や操作したいことがあればそこに行かなければできません。

同じフロア内であれば少し歩けば良いだけなので効率に影響を与える割合は小さくてすみます。製造所やビルなど設置場所が離れていて、いちいちその場所まで見に行くのが大変な場合、便利なのが制御盤です。

電源の入り切りや受電ランプ、起動スイッチ、エラー表示などが一箇所に集約されていれば、そこを見るだけで状況を把握することができます。もし問題が発生しても走り回ることが少なくなります。それが制御盤を使うメリットの一つです。

そのほかにも装置を動かす場所に行けないような時にも制御盤が必要になります。例えば水中で動作するような設備や動作時に放射線を発するような装置、高温で近づけないような環境で使われる装置などを一括管理できるメリットがあります。

制御盤を使いやすくするには、どのような操作が必要か、また何を知ることができれば対応を判断できるかなどを検討して設計する必要があります。

現場に行かなければどうしようもできないトラブルでも、そのトラブルが発生してることがわかるだけで必要な工具や人員を揃えることができます。その機能を外して運用すると言う判断もすることができます。制御盤によって効率的な運用を継続することができます。