無鉛半田と基板実装について

基板実装とは電子部品をプリント基板に挿入もしくは配置して半田付けを行う作業の事を意味しています。電子部品を固定して導通状態にしてくれる半田は鉛が含まれているもので、スズに鉛を37%含有させたものです。

しかし、鉛は健康への害がある、地球の環境にも悪いなどの理由から、2006年7月にRoHS指令により、ヨーロッパ諸国において、製造およぶ販売が行われる製品の一部に、鉛の含有が禁止になるなど、基板実装においての変化が生じています。

これはヨーロッパ諸国だけではなく、全世界へと広まるもので、日本国内で製造する電子機器の中には鉛入り半田が使われていない、いわゆる鉛フリー半田と呼ぶものを使い、製造が行われるようになりました。鉛が入っている場合、融点温度が低いので半田付け作業が楽に出来る。

しかし、鉛が混入しない鉛フリー半田は融点温度が高く、半田が溶けにくいなどの特徴を持っています。また、1つの基板実装の中で、左側は鉛フリー半田、右側は鉛入り半田などのように、混在させる事は出来ません。融点温度は半田付けの作業性だけではなく、専用の部品が必要になります。

特に半導体は熱に弱いため、鉛フリー専用の電子部品が登場しています。基板実装の中でも半田付け作業は自動化が図られており、鉛入り専用の半田槽と鉛フリー専用の半田槽の設備が必要になります。

今後は鉛フリーが主流となり、鉛入り半田が廃止になると、基板実装を行う工場内の設備は鉛フリー半田槽のみで良くなります。

プリント基板メーカーから基板実装への事業拡大

大量生産の日本の民生用電子機器メーカーの多くは、基板実装・電子機器組立の多くを海外に生産移転しました。これは機械化が進んでもやはり機械操作等に製造マンが必要で、この人件費が安い国を求めて中国や東南アジアに生産シフトしたものです。

グローバルに価格競争がし烈な民生用電子機器ではこうした状況がありますが、比較的小ロット生産の多い、産業用電子機器では少し様子が異なります。基板実装や電子機器組立に掛かる労務費を追及して海外移転する場合、現地での生産指導等が必要で、小ロットの場合にはむしろ日本で生産をした方がむしろトータル費用が抑えられるからです。この様に産業用の電子機器では小ロット品を中心に国内生産が続いています。

しかし、そんな中でもコストを下げる必要性はあり、このために日本国内での生産分業が進んでいるのです。産業用電子機器メーカーは開発設計を行い、その設計された電子回路の回路図をCADでプリント基板のパターンに落とし、プリント基板を生産し、さらに基板実装まで行うメーカーが増えているのです。

これはプリント基板メーカーとしては付加価値を増大させる効果があり、産業用電子機器メーカーにとっては設計開発に集中し、そこで付加価値を確保する方が効率良い経営が出来るからです。所謂、Win-Winの関係としてタッグを組む事が可能なのです。

この様に、比較的小ロット生産の産業用電子機器の世界でも、それに最適な生産構造に静かに移行が進んでいるのです。